自身の身なりや第三者からの視線を人一倍気にしたり、女性の高齢者によく見られるのが、水分摂取が不足したことで起こる脱水症状です。
年令を重ねるほど体力がなくなるので、脱水症状を起こしてしまうと急に倒れてしまったり、意識を失ったりすることもあり、非常に危険な状態になります。
しかし、脱水症状を起こす高齢者の中には、尿漏れの不安やトイレの回数が増える面倒臭さから、水分を口にしようとしないのが実情のようです。
また、高齢者の中には、味のついていない飲み物を嫌う方も少なくありません。
そのような人は、お茶や清涼飲料水を食事の時やお茶の時間に口にする程度であり、身体に必要な水分が慢性的に不足しがちになります。
そのため、介護の現場においては、本人が納得する形で湯冷ましやスポーツドリンクをこまめに口にする習慣をつけてあげる工夫が必要になります。
ちなみに、脱水症状は一年を通して起こるので、熱い時期だけでなく、四季を通じて水分摂取を促すようにすることが大切です。
また、介護士は尿意を催さななかったり、唇と口腔内が乾いていたり、喉の引っ掛かりを起こしている高齢者がいないかをチェックするようにしましょう。
これらの症状は、水分不足のシグナルです。
脱水症状はなかなか本人では気づくことができません。
ですから、介護士が利用者の様子をしっかり観察し、怪しいと思ったら積極的に声をかけて、水分補給をすすめるようにしてください。